目に映る他者解釈って?

私たちは、「あの人幸せそうで、全然苦労もしたことなさそうで、人の気持ちなんてわからないよね」などといったりします。

人はミラーニューロン(共感覚)を通して、表情や行動を見て、あたかも同じ感覚を味わうようなことが脳神経学的にはできるといわれています。

映画をみて、主人公の悲しい姿を見て、自分が悲しくなるのも、そのミラーニューロンのおかげです。

しかし、冒頭の「あの人幸せそうで、全然苦労もしたことなさそうで、人の気持ちなんてわからないよね」という言葉は、もっと複雑な思い込みが存在していますので、少し分解してみていきます。

他者に映る自分の思い込みを分解してみる

”あの人幸せそうで”
⇨全く証拠がないにも関わらずに幸せそうと決めていることそのものが、そう言っている本人も相手の気持ちになれていません。(だからこそ、そこに文句を言いたくなるのですが)

”全然苦労もしたことなさそうで”
⇨なさそうという勘で、決定して妬んだりしているのかもしれません。

”人の気持ちなんてわからないよね”
⇨ミラーニューロンで共感はしても、人は基本的に同じ体験をしても、潜在意識の違いによって、全く違う感覚や解釈をするため、気持ちは完全にわかりません。

そこには、その人の思い込みによる状況の解釈の違いがあるだけです。

カウンセリングの目的を考えてみる

一般的に思い浮かぶカウンセリングは、「その人の想いに寄り添うこと」というイメージがありますが、カウンセリングで重要なのは、共感ではありません。

関わる方の本当の想いを引き出し、それが達成しない邪魔しているものを発見し、意味を変換していくお手伝いをしているからです。

問題や悩みを持っている人はその問題特有の言語パターン、思考パターンを持っています。
そこにカウンセラーが同調したり、気を使って必要なことを伝えなかったりすると、本人の問題を引き起こしている言語、思考パターンを間接的に応援することになります。それが、「このカウンセラーも私のことわかってくれた」というように感じさせるかもしれませんが、問題を引き起こしている原因を大きくするということを知っていたら、それを選ぶことはありません。

同時にカウンセラーの考えを押し付けることもしません。
そもそもその方に必要な考えは本人の中にあることを知っているので、その部分に気づくような関わりをするだけです。

なんのためにカウンセリングを受けているのか、そして、カウンセリングはどのようなものなのかをクライアントがわかっていたら、さらにクライアントの目的はスムーズに達成できると感じます。

自分の思い込みの背景を感じてみる

もう一度、冒頭の状況を考えてみましょう。

「あの人幸せそうで、全然苦労もしたことなさそうで、人の気持ちなんてわからないよね」と言う人は、

自分の苦しみをすごいもの(自己価値)だと思っていて、その苦労を誰かにわかってほしいけれど、わかってくれないという思いを抱えているだけです。ただただ、その想いを持って他人を見てしまって、そこにイライラしているだけなのかもしれません。自己価値をわかってほしいという想いがそこにあるのかもしれません。苦しみにつけている背景を感じてみると色々とヒントに気づくと思います。

幸せそうな人をみて、「素敵だなー」と思う人もいれば、

幸せそうな人をみて、「苦労なんて知らないくせに」と思う人もいます。

気がきかない人をみて、「本当あの人、人の気持ちわからない人だから嫌だな」と感じる人もいれば、

気がきかない人をみて、「あの人といると深刻な気持ちが吹き飛んじゃうわ」と感じる人もいるでしょう。

結局、そう反応した自分の中にその原因があるだけです。

状況につけた思い込み、そしてその思い込みに至った背景、そこから派生してくる言葉につけている自分だけの概念、そこを自分の中から見つけた時に、世界が変わってみえたりもします。

カウンセリングでは、そのあたりの思い込みの切り崩しをしていきます。そう思っていたことに同調するのではなく、そのパターンを客観的に分解し、それを再構成するお手伝いをすることで、クライアントが自分で自分の時間を楽しむことを思い出す時間を共有しています。