4年前には五輪本大会で銀メダルを獲得している日本女子サッカー(なでしこ)が、今回のアジア最終予選では第4戦を戦うことなく、無念にも敗退が決まった。

繰り返すが、オリンピック本大会ではなく、その予選で負けたのである。

澤選手がいなかったから、宇津木選手を怪我で欠いたからと様々な敗因をマスコミは並べるが、

スポーツの世界では、選手の発する言葉の裏にある背景(潜在意識)に焦点を当てると、やる前から結果がわかってしまうようなことも多い。

何気なく出る言葉の裏にその人の想いが隠れている

今回は主将の宮間選手の発言に焦点を当てると、「澤さんがいなくなって『なでしこ』がダメになった言われたくない」という発言が気になる。

この発言をわかりやすく丁寧に掘り下げていくと、

この言葉の背景にあるのは、「澤選手がいなくなったことで、”なでしこ”がダメになったとは認めたくない」という想いが隠れている

そして、それは「もしかしたら、澤さんがいなくなったことによって、ダメになったかもしれない」という想いが隠れており、

それを「言われたくない」=「他人にダメになってはいないと認めてほしい」=「自分で認められないものがある」=「自分はダメだと思っていることを認めてしまっている。

つまり、「澤さんがいなくなって『なでしこ』がダメになったと言われたくない」という発言の裏には、

→「澤さんがいなくなったことでダメになっているなでしこをみんなにばれたくない」と考えていることになる。

もちろん、これは宮間選手の表面の意識(顕在意識)では「そんなことを思っていない」と全く気付いていない可能性が高い

しかし、潜在意識はそう判断している可能性が高い。

だから、潜在意識は扱いを知らないと厄介なのだ。

ここでは、宮間選手だけの発言が問題と言っているわけでも、責任は宮間選手にあると言いたいわけでもない。

実際、選手の中でも他人のせいにしたりする意見もたくさん飛び交っているとの記事も出ている。

エースの大儀見選手も中国戦のことを「この試合に負けることが何を意味するのかは、自分の中で理解して挑んだ。ただ全ての選手が理解していたかというと、きっとそうではなかった」と発言している。

この言葉の裏には、もしかしたらこの試合を負けるかもしれない前提が潜在意識に隠れていたことが推察されるし、問題を他人に押し付けるという最も結果の出にくいパターンの一つが隠れている

そのようなチームの状況を見て、宮間選手が最終的にそう感じるに至った可能性もあるし、監督の発言も宮間選手にこの発言をさせる背景には強く影響したことだろう。

サッカーではミスをしたあとにポジティブな言葉を掛け合えば、次のミスの確率がぐんと減る。しかし、他人に責任を感じているチームの中では、なかなかミスの場面を効果的に減らす言葉も飛び交いにくい状況だったのかもしれない。

そして、このような団体で行うスポーツは、監督の普段から発する発言によって結果が大きく変わったりする。

それだけチームとしての精神的な部分をどうコントロールするかがスポーツという結果が求められる環境においては特に重要である。

「ダメになったと思っている」、「負けるかもしれない」そのような想いを持ちながら試合に臨むのか、その部分を変換して試合に臨むのかでは結果が違うことは明らかであろう。

メンタルコーチの影響力、どのようなイメージを持たせるのか?

少し前のラグビーワールドカップで、日本代表が活躍したのも荒木さんというメンタルコーチの影響がとても強かったのではないだろうか。

荒木さんは、ミスが多い場面で、「ミスをしないように」という声掛けをするのではなく、ミスをしないようにどんな行動をするかを分析し、声掛けではなく具体的な行動を選手にやってもらっていたようだ。

例えば、この場面ではマークが外れていないか絶対に確認するという行動を起こすことなどである。

ミスしてはダメだ」という言葉や思考では、”ミスをする”潜在意識は現実化しやすくなるので、成功確率を上げるために行動するという荒木メンタルコーチのやり方は、潜在意識として考えても非常に有効である。
ミスの場面をイメージするのか、行動そのものをイメージするのかの違いということである。

ミスは絶対にダメ」、「ミスをしないようにしなきゃ」と考えながら、最高なパフォーマンスを求めるのか?

最高なパフォーマンスを得るために、この行動とこの行動とこの行動は必ず行うとするかの差は、潜在意識から考えるとあまりに大きい。

潜在意識の持つ力を有効に活用させることを知っているか、知らないかでは、現実は大きな差となって現れてくる。

潜在意識や言葉の技術で知らないうちに変化を起こす

私は、病気に特化した活動をしているようにうつるかもしれないが、実はそういう潜在意識言葉の使い方やチーム内の人間関係一気に扱えるのも私のコーチとしての強みでもある。

私のクライアントの中にはトップアスリートの方もいるのだが、カウンセリングセッションでは、私の質問に返答するクライアントの無意識の言葉を確認し、これまでの習慣化されたパターンから結果の出やすいパターンに知らないうちに変化させることで、実際に驚くような結果がついてくる。

それだけ、選手や監督の心の奥にある潜在意識を調整し、発する言葉を意識することが重要であり、それを知っているコーチにパターンの変換を依頼することは、スポーツの世界でも重要な位置づけとして認識されている。

 

メンタルコーチがいなければ、

監督としてチャレンジしてほしい場面で選手がチャレンジしなかった時に、

「今のはチャレンジだ!」「なせチャレンジしなかった?」と問い詰めても、本当のチャレンジできなかった本質は見えてこないだろう。

そして、冒頭に紹介した宮間選手のコメントを

「世代が変わった新しい日本女子サッカーの強さを証明する」という言葉に変えたらどうだろうか?

それを選手が心の奥から発言できるように積み上げていくのが、メンタルコーチや監督の最大の役割だろう。

そして、ミスをしないような行動(問題から逃れる行動)を日々するのではなく、成功するためのチャレンジ(何かを得るための行動)をすることが人生にも大きく関係する核の部分である。

今回のなでしこの結果から、澤選手が技術や能力以外の力も相当なものがあったということが浮き彫りとなった。

きっと、その思考パターン言葉の使い方は、いつか日本の女子サッカーを再び世界一の座で押し上げてくれると確信している。