過去は変えられる|悩みを解決するための記憶の活用法とは

なぜ、私たちは悩むのでしょうか?そもそも、悩みの正体とは一体、何なのでしょうか?そして、過去は本当に変えられないのでしょうか?過去と悩みの関係を知れば、今悩んでいることが自分の人生の栄養にできるとハッキリとわかる時がくるかもしれません。それと同時に、今までの人生とは全く違った人生が今日から動きだすかもしれません。

この記事を書いた人

執筆者:松木寛
セルフエンパワーメント・コーチ
統合医療カウンセラー
理学療法士・日本抗加齢医学会認定指導士・全米ヨガアライアンス養成学校講師

 

目次
1.悩みの正体とは
2.過去は本当に変えられるのか?
3.過去が変われば人生がどうなるのか?
4.どうやって過去を変えればいいのか?
5.過去の記憶が思い出せない時の注意点
6.まとめ

1.悩みの正体とは


私たちが悩んでいるものとは、一体何なのでしょうか?それは、いろいろな言葉で表現できますが、一番わかりやすい表現でいえば、「過去の記憶」です。私たちが悩んでいるものは、「今」ではなく、「過去の記憶」です。そして、その過去の記憶が自分にとって心地よくないものであれば、その記憶が「未来」にも起きてしまうのではないかと不安になったりします。

また、「悩みの正体」について、もうひとつ別の形でも表現できます。それは、「守らなければならないルール(自分を苦しめているルール)」ということです。それが常識と呼ばれる場合もあります。しかし、私たちの考えややりたいことは常に常識の中にあるとは限りません。しかし、私たちが考えたことが常識から外れていると、「私は変なんだ」「私が間違っているから・・」と自分の心よりも、常識のほうを大切にしたりします。それが「悩みの正体」とも言えます。

例えばですが、「電車の中では静かにしなければならない」というルールを持っている人の子どもが電車で騒ぎだすと、強い罪悪感を感じてしまいます。逆に「電車も自分のお楽しみ空間のひとつ」と思っていれば、子どもが電車で騒ぎだしても「元気な子だな〜」とニコニコしているかもしれません。私たちが信じているルールは一人ひとり違います。そのルールが自分が「本当はそんなルール守りたくない!」というものだったりした時に、それを破っている人を見た時にイライラしてしまったりもします。また、自分がそれを守らなければならないというルールを持っている場合、その守らなければならないルールを守れない時があれば、その大切なことを守れなかった自分を自分で責めることになるでしょう。

このように、守らなければならないルールを持っていればいるほど、他人に対して守らせたくなるし、守らない他人を責めたり、守れない自分を責めたりしながら、自分を苦しめる状況にどんどん追い込んでしまうことがあります。

2.過去は本当に変えられるのか?


ここでは過去が本当に変えられるのかについて解説していきます。「過去が変えられるかどうか」について語る前に、過去について少し明確な定義が必要かもしれません。「過去に起きた出来事なんか変えられるわけがない」と思うのが、一般的かと思います。私もそこを否定するつもりはありません。しかし、過去というものは私たちのどこに存在しているでしょうか?それは、記憶です。私たちの中では過去は記憶でしかありません。しかし、人間の記憶というものほど曖昧なものはありません。学生時代の友人と昔ばなしをしていた時に、「えーーーそんなことだったの?」と記憶が友人と全く違っていたことはないでしょうか?

科学的にも、人は記憶を都合のいいように書き換えていると証明されています。それだけ私たちの記憶というもは、その時の解釈によって形作られているのです。もしかしたら、ここまで見た方の多くは感覚的にわかっているかもしれませんが、過去に起きた事実は変えられませんが、「過去の記憶は変えられる」ということです。なぜなら、記憶はその体験が起きた解釈によって作られているからです。解釈はその体験を捉える意識、視点によって全く違ったものになります。そのため、大人になった自分が過去の出来事を見つめ直してみると、違ったことが見えてくることもあります。

3.過去が変われば人生がどうなるのか?


私たちは、「ひとつの大きな世界に自分という人間が存在している」と考えていますが、世界の捉え方は人それぞれで異なります。つまり、同じ場所にいても体験する世界は一人ひとり全く違います。同じ職場にいても、楽しんでいる人もいれば、嫌で嫌でたまらない人がいるのも当たり前です。私たちは、職場の人とは全く違う親に育てられ、違った環境で育ち、それぞれの解釈によって自分という存在を確立していきます。もっというなら、体験の解釈によって、「私は〇〇な人間だ」というセルフイメージ(自己認識)を持ちながら、生きています。逆に言えば、この「自分とは何者なのか?」「自分はどういう存在なのか?」というセルフイメージにあわせた体験をしています。

例えば、「私は愛される価値がない」というセルフイメージであれば、愛されるために尽くしたり、愛されるために外見を磨いたり、愛されるための努力をしたりします。しかし、「私は愛される価値がない」と無意識に信じているとすれば、どこかで「やっぱり愛されていない」という部分に焦点を当てることになり、どんなに些細なことからも「愛されていない証拠」を見つけ出します。

私たちは、焦点を当てたものを見つけ出す(※本当は創り出すのだが、ここでは説明を省略)特性を持っています。しかし、逆に、私たちが個人的に現在持っている「私は〇〇な存在だ」というセルフイメージは、過去の記憶によって創られています。そのため、過去の解釈が変われば、今信じている「私は〇〇だ」の部分が変わることになるので、同じ環境にいても全く違った世界が始まることになります。これは体験した人にしかわからないかもしれませんが、本当に別世界のように変化することになります。

そして、そのセルフイメージにあわせた体験を創り出すことになっていくので、いつもイライラしていた先輩が「最近気持ち悪いくらい優しいんですけど・・」とか「なぜか急に男性から食事に誘われる機会が増えたんです!!」などの体験が起きたり、現実的な変化も起きてきます。

4.どうやって過去を変えればいいのか?


過去の記憶を変えられるとしたら、一体どうすればいいのでしょうか?
まず、過去に起きた出来事を思い出してみて、起きた事実と自分の解釈や曖昧な点を分けてみます。

例:中学3年生の時、私が勉強を頑張らなかったことを父親がムカついていて、私の大好きだった部活をやめさせようとしていると母から聞いて、私の好きなことを取り上げようする父親は父親として失格だと思う。
事実:勉強をやっていなかった。
母がこのような話を私にした。
解釈:父親は私の好きなことを取り上げようとした。
父親は父親として失格だと思う。
曖昧な点:父が本当に大好きだった部活をやめさせようとしたのか?(母親からの話なのでわからない)

このように過去の体験を分け、曖昧な点を父親に確認したり、もう一度母親に確認してみるのも有効な方法です。また、自分がその記憶を思い出している時に、気分がよくないとしたら、それは解釈を新しくしたいタイミングなのかもしれません。私たちは自分が勝手に解釈をして、自分で自分を苦しめることがあります。この解釈を変えることができれば、その体験を思い出した時の感覚が心地よくなることもあります。それだけでなく、この体験が自分の人生に教えてくれるメッセージにさえも気づくことができます。

5.過去の記憶が思い出せない時の注意点


もし、あなたが過去の記憶を思い出そうとしても、思い出せないとしたら、それは無理に思い出す必要はありません。ここで注意したいのは、このような情報を聞くと、「こうしないと幸せになれないんだ」と思い込み、思い出せない自分を責めたり、思い出すまで自分を自分で追い込んだりしないことです。もし、あなたが過去の体験を思い出せないとしたら、それは今現在のあなたには必要のないということです。自分をもっと幸せにする方法は、いくつもあります。その中で最も今の自分にあったやり方などを活用すればいいだけです。そんなに自分を追い込まずに、多くの選択肢の中のひとつであることを理解してくださると幸いです。

繰り返しますが、過去を思い出さなければ幸せにならないなんてことはありません。しかし、何度も思い出しているのに、その体験を見ないようにするのとはまた違います。自分の無意識がその体験を何度も思い出させるのは、無意識から自分への重要なメッセージがあるというサインです。その重要なメッセージを受け取るためには、その記憶の中にある本当の宝物を見つけることが大切です。その体験を過去の自分が心地悪く感じたとしても、それは今の自分の真実とは限りません。その体験を様々な角度から紐解いていくと、「この体験のおかげで・・」という部分が見えてきたり、「本当はこういうことだったのかもしれない!」と可能性を感じる体験となったりします。

6.まとめ

いろいろな人が「過去は変えられない」と言ったり、「過去は変えられる」と言ったりしています。その時に「過去」と同じ意味で捉えて使っているわけではないこともあります。それなのに、表面的な思いでこうだろうと決めつけていてはもったいないこともあります。それよりも、今から自分が幸せになるためにどうその情報を活用しようかという視点で物事を見ていくといいのかもしれませんね。過去を変えられないというのは一方向から考えると事実のように思えるでしょう。しかし、過去の記憶や解釈はすぐにでも変えられます。そして、過去の記憶を変えることでいくらでも今の自分を幸せにすることもできます。今の自分を幸せにするために過去の記憶を変えたくなったら、いろいろ取り組んでみてもいいかもしれません。

この記事を書いた人

セルフエンパワーメント・コーチ 松木 寛(まつき・ひろし)
潜在意識を変化させ、問題の根本原因にアプローチをするセッションを行っています。
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