医療はアートに向かっている

 

治療の対象は「症状?」

皆さんも私と一緒に、考えてみてほしい。

病気を発症し、治るまでの過程を思い描いた時、

『①原因→②症状(検査)→③診断→④治療』という流れに対して、現代医療では、②の「症状」を薬や手術によって抑える治療が中心となっている。

②の症状に介入する医療には、なぜその病気を発生してしまったのか?という根本原因である①には本質的には目を向けられていないようにも思える。

風邪でさえも、風邪のウイルスをやっつける薬が開発できていないことから、薬での治療の限界を感じる。

もちろん、薬も症状を抑える大切な医療の一部であるし、緊急時など明らかに手術が必要なこともあるので否定している訳ではない。

ただ、薬や手術、最新機器などの人間を外部から何とかしようとする治療ではなく、人間の内面に本気で目を向けた医療を考える時期が来ているように思う。

症状ではなく、何をみるのか?

実際、これまで医療として受け入れられなかった治療法などを柔軟に取り入れている医療機関も、少しずつではあるが拡がりを見せつつある。(ヨーロッパなどでは特に柔軟なようだ)

私が”統合医療カウンセラー”として所属させて戴いている”表参道首藤クリニック付属統合医療研究所”の取り組みも大変幅広い)

そして、「The Principles and Practice of Medicine」など多くの名著を残したカナダの内科医、ウィリアム・オスラー(1849-1919)がこんな名言を残している。

「病気を診ずして病人を診よ」

「人がどんな病気にかかっているかも、どんな人が病気になるのかのほうがわかり易い」

こんな大切なことを、医学教育の基礎を築いたとされるオスラーが私たちに伝えてくれている。

ここからわかることは、診るところは「症状」ではなく、「病人」=「人物」であるということである。

病気をみるのではなく、「どんな人か」という部分をみるということが、医学の基礎であるといっても過言ではないだろう。

 

病気をやめていく人たちに共通していること

私はカウンセラーだけでなく、理学療法士時代も含めると述べ20,000人の患者さんと心寄り添ってきた。

その中で感じたことは、病気や怪我になってもすぐに回復していく人たちは、明らかに自己表現が豊かであるということだ。

言葉を言い換えると、何のために命を使うかが明確である方がとても多かった。

このような実体験があるからこそ、私のカウンセリングでは、病気はともかく、人生をどう表現していくかも強くお手伝いする。

だからこそ、病気をやめることが強烈にサポートできるのである。(なぜ言葉で病気が止められるのかの理論はホームページ参照)

患者さんの「病気を治したい」という願いの根底には、もっと大きな本当の理由があるはずだ。

その本当の理由が何より深い部分にある本当の自分を自己表現することだと知り、動き出すと、病気が病気でいられなくなる。

これからの医療はアート

「病気を治したい」その根底にあるものが、本当の自分を自己表現することだからこそ、これからの医療はアートと言ってもいいと思う。

医療は、デザインという問題解決のアプローチではなく、アートという自分を自由に表現するものだと思っている。

自然の中で自己表現してもいいし、音楽で自己表現してもいい、食事を提供する形で自己表現してもいい、目の前の人に常に丁寧に接するという自己表現でもいい。

自分が何の制限・制約もなく、心の奥から本当に望んでいることは何なのか?

世界中の人が、誰かにコントロールされる訳ではなく、自分を自由に表現するアーティストであることを知り、何にも囚われることなく自分を表現することができれば、病気が発生しない世界になるのかもしれない。

自分を表現することが、病気が発生しないことに繋がるのなら、自分の心から望んでいることを知り、行動すればいい。

心と行動を一致させることがカウンセリングではできるし、どう行動していくかも、自分の心とは何かを知ることもできる。

「人がどんな病気にかかっているかより、どんな人が病気になるのかのほうがわかり易い」

オスラーのこの言葉から、病気を言葉(カウンセリング)でやめることのできる重要なメッセージを感じる。

なぜなら、人はカウンセリングや何かの出来事などきっかけがあれば、いつでも変わることができるから。

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