後悔が目指している最高のあなた

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執筆者:松木寛
セルフエンパワーメント・コーチ
統合医療カウンセラー
理学療法士・日本抗加齢医学会認定指導士・全米ヨガアライアンス養成学校講師

「父が亡くなった時にとっさに決めたこと」=「後悔していない自分」

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私は、20歳の時、父親をガンで亡くしました。

 

当時、私は大学生で福岡にいる両親と離れて一人で生活をしていました。

 

父はガンという病を宣告され、手術も受け、抗ガン剤も使用し、東洋医学的な治療も自分で調べて実践したりと、病をやめるために宣告から約1年間、一生懸命生きていました。

 

しかし、当時の私は“父が亡くなるかもしれない”という実感がなく、遠方にいたことを理由に無意識的にそれを見ないようにしていたのかもしれません。

 

父がガンをやめようと頑張っていることがわかっても、休学をして看病することもせず、「卒業のために単位を取得しなければ」と大学生活を続けていました。

そして、ある日、夜中バイトしていた時、社員の方から「お父さんが亡くなったそうだ」という連絡を受けました。

 

その時、私の目の前が一瞬真っ白になりました。

そこで、私はあることを決めたのです。

 

そのことは、今でもはっきりと覚えています。

 

それは、「俺は後悔していない」ということでした。

 

そこから、友人に「松木、お父さん亡くなって大丈夫か?」といわれても、「うん、後悔していないから・・・」と発言していきました。

 

私は、お父さんの病気と本気で向き合ってこなかった自分を見たくなかったのです。

 

その時の私がわざわざ、“後悔してない”と決めたのはなぜなのでしょうか?

本当に後悔していないのなら、「後悔していない」ということをわざわざ決める必要もなく、ただ“息子としてやりきった”という感情がわいていたかもしれません。

 

やっぱり、本当はとても後悔していたのです。

 

「後悔していない自分」が指している前提に気づく時間

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そして、そこから私は、“後悔していた”という自分の本当の感情に蓋をして、仮の自分を生きていくことになります。

 

その後の人生では、後悔することばかり起きたのはいうまでもありません。

 

仕事(パソコン会社)にはついたけども、“勉強してこなかった”、“やってもわからない”などの後悔がありました。

 

結婚したけども、離婚することになり、“愛しきること”、“信じ抜くこと”、“大切にしきれなかった”などの後悔もありました。

 

私は、本当の感情である“後悔”という言葉を無意識的に隠していたからこそ、“後悔する自分”を体験し続けることになりました。

 

 

そして、ある時、私は自分を深く深く内観していました。

その時、ふとイメージの中に父が現れました。

 

深い内観している時だったので、父がイメージの中に出てきた瞬間、“父が私に何を伝えたいのか”がはっきりとわかりました。

 

そして、私はあることに気がつきました。

 

それは、あの「父が亡くなった」時に本当は後悔していたということを・・・

 

それに気づいたのは、もう夜中の1時半でした。

 

そして、目の前の父に言いました。

 

「お父さん、私は後悔していました。お父さんを大切にすることができなかったことを後悔していました。でも、今はお父さんの死のおかげで、病気で悩んでいる方たちにも、自分なりの表現で協力できています。本当に今の自分がいるのは、お父さんがいたからだよ。本当に育ててくれてありがとう!!」

 

久しぶりにたっぷりと泣きました。

 

そこから、私の人生に何が起きたか言うまでもありません。

 

 

私の体験からは、このようなことが感じられると思います。

父親の死をきっかけに、「後悔していない自分」を決め、その自分で生き続ける時間のなかには、「後悔しないように生きる」思いが散りばめられています。

そこには、「後悔してしまう自分」という存在認識(私はこのような者である)が潜在意識の中でいつでも響いている。

潜在意識は、その自分の存在認識を現実のなかで表現していく力があるために、「後悔する自分」を体験できる時間が創られていっただけなのです

 

「後悔していました」という本音が、「後悔する自分体験」を解除する鍵だった

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「後悔していること」を隠し、「後悔していない自分(後悔する自分)」という仮の自分を演じる中で、「後悔」を感じる出来事を体験し続け、実はあの時「後悔していた」という本音に気づいた時から、自分の中で生き方が変化しました。

そして、後悔しない現実が次々に創られていきました。

心の奥に押し込めてしまった本音を自分で認識したからこそ、「後悔していない自分」という虚像が解除できたのです。

 

私たちは、人生のある時期に、本当の自分の思いが辛すぎて逃げてしまう時があります。(それは幼少期かもしれません)

 

そして、本当の自分の思いに向き合わずに仮の自分として、人生を歩んでいくこともあります。

 

本当の自分と向き合うことを避けて、仮の自分でいる時、

 

健康面、人間関係面などにおいて、不快な状態を体験し、本来の自分の中心に戻そうと潜在意識も働きます。

 

なんのために本当の思いを隠し、仮の自分を生きることを選んできたのか?

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仮の自分で起こした不快な状態を体験することで

 

「仮の自分を歩んできたからこそ、自分の中心ってここだったのか」とわかったり、

あの時、自分の本当の思いから逃げたからこそ、本当の自分でいることの喜びを感じられたりもします。

 

そうして、人生を重ねていく中で、仮の自分も必要だったのだと気づくことになります。

 

全てが必要たったことが、身体の奥深くから実感できます。

 

私たちは、そのような本当の自分から少し外れる体験を繰り返しながら、様々な体験を統合し、自分という存在を確立していきます

 

そして、改めて過去の体験を振り返ってみた時、

「もしかしたらこのことは自分でこういうストーリーを先に設定していたのではないか?」

「このことに気づくために、こういう大きなイベント(刺激的な体験)を自分で設定していたのではないか?」

という気づきが起こることもあります。

 

今というこの瞬間のためにすべてが存在していることに気づく

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そして、そのような体験を重ねると

「時間というものは本当に過去から未来に流れていくという一方通行なものなのだろうか?」

「本当は未来から過去という流れで進んでいるのかもしれない」と直感的に感じることが増えていきます。

 

そして、過去・未来などの時間という概念もなく、今というこの瞬間のためにすべてが存在しているという大前提に気づいていくのかもしれません。

 

私たちは、今というこの瞬間に最高の幸せを本当の意味で感じられた時、すべては今のためにあったのだと気づくことになります。

 

色々な体験が自分の本当の思いを表現して生きてもいいということのメッセージでしかないことがわかるからです。

 

そして、それは過去のすべてをゆるすことになり、世界のすべてを愛することになり、あらゆるものはもともと同じものであって、自分への無条件の愛でしかないということに気づいていくのかもしれません。

 

 

○過去は変えられないけれど、これまでの体験が何のために起きたのかに気づく今を過ごすことはできる。

○そこで置き去りにしていた本当の思いに、今寄り添うことができる。

○自分の本当の思いを隠し、それをカバーするために仮の自分を設定することによって、体験が起き、それを体験するからこそ、素直に自分の心を受け容れる気づきの今が始まっていく。

○自分の心に素直になれる今が始まっていく。

○ありのままで表現できる今が始まっていく。

○本当の自分で生きる時間を選ぶ今が始まっていく。

 

いままでの体験がどのような気づきとなり、今この瞬間の自分の表現となっていくのか?

 

それが私たちに与えられた最高の自由なのかもしれません。

 

 

 

 

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セルフエンパワーメント・コーチ 松木 寛(まつき・ひろし)
潜在意識を変化させ、問題の根本原因にアプローチをするセッションを行っています。
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