継続セッションを受けてくださった男性からいただいたご感想です。(掲載の許可はいただいております)
継続セッションを通して、地道に一歩ずつ進んできたように感じています。 松木さんとは、知り合って5年以上の月日が経ちましたが、今年は勝負の年だみたいな感覚で継続セッションを申し込みました。
毎月、フリーのテーマで継続セッションといえど初めは受身的な自分でしたが、回数を重ねる毎に自分の心に正直に何に引っ掛かっていて、こんな事を叶えたいんじゃないかなとはっきりわからないながらも自らをわかろうしながら進もうとする雰囲気が強くなっていってました。
テーマとは関係ありませんが、ふとセッション中に泣くという事はどんな事だろうと思いながら数年が経っている事に気づきました。 そして今日のセッションでは、何か泣くような予感を感じながら臨む自分がいました。
現在特別養護老人ホームで介護職として働いているのですが、発達障害や認知症など様々な特性が重なり合いケアが難しい方がいて、その方に本当にお薬を使う必要があるのか、ケアに参ってるスタッフのためにお年寄りに対して薬を使うのじゃないのか?など、お年寄りのためにはお薬を使う事が本当にいいのか悪いのかと様々な葛藤がありました。
そのお年寄りは、日に日に周りを威嚇するかのように叫んだり、他のお年寄りに手が出てしまう状況もエスカレートしていました。 看護師さんは、私に対してまた言ってるよ!とかどんどん悪くなってるとか言葉を投げかけてくるものでそれもある種自分の心に引っ掛かってました。
私は介護職としてフロアのリーダーであり、フロアをまとめていく立場でもあり、看護師とコミュニケーションをはかる立場でもあり、その狭間でこのお年寄りに対してどんな方向性を示していくのがいいのかと迷っていました。 今回のセッションにおいて少しずつ紐解いていく中で、お年寄りが声を上げる事よりも看護師さんが言ってるよ!とか悪くなってる!と自分に対して言われる方が嫌だという事にはじめて気が付きました。
私は、良くも悪くも目の前の人を不自然な形でいい人と見ようとする癖があり、プライベートでも親交のある看護師さんでもあったりするので言われたら嫌な言葉だったのですが、そんなに嫌じゃないです…みたいな、自分にも周りにも無意識に嫌を濁した状態になっていました。
その看護師さんが言ってる事は、看護師さん自身が本当に言いたくて言ってるのではない事はわかっていたのですが、自分自身がその言葉を自分の中で素直に受け取れていませんでした。 その看護師さんと悪いという言葉を分けた上で、自分の中で悪いって言葉嫌だなーという気持ちをはじめて受け取る事が出来ました。
その事を受け取れただけで、一段階楽になれたのですが、今回はもう一段階奥へ進む機会となりました。 それはもっと奥の嫌なものは何なのかでした…。 お年寄りが声を上げたりするより、看護師さんが悪くなってるという言葉の方が嫌で、言葉よりさらに嫌なのは、お年寄りが他の人に手を出してしまう事でした。
そして、手を出してしまうとそのお年寄りが責められて、フロアに居られないような、他の施設に強制的に送られてしまう様な考えがブワッと湧き起こりました! それは絶対起きてはいけない! そう心の奥底で思ったのです!! そして、次の瞬間…絶対に起きてはいけない、自分がそのお年寄りを守り抜いてやる!! という気持ちが沸々と湧いてきました。
それはお年寄りを幼子だとしたら全力でこの手から離さないぞ!!という強い気持ちでした。 ただそれは本気でエゴだよなと思い… おそるおそる、よくないと思うんですけど…手放したくないんです… と素直に松木さんに伝えました。 そうしたら、それはエゴじゃないと思いますとやさしく返答がありました。 えっ!!っと思いながら…その思いや感じを味わっていると、気がついたら大粒の涙が溢れ出てきました。
私がこんなにもこのお年寄りをかわいい、愛おしいと思っていたとは全く思ってもいませんでした。 ただ、いつも声をあげたり、手を出さない様にご機嫌をとっていただけだと思ってました。たしかに、笑顔が見られたらとても嬉しくて、 幸せいっぱいになりますが、ちょっとでも何か不穏な空気が流れると嫌な気持ちになっていました。
そんな不十分だと思っていた自分が、ありのままに感じている事をありのままに受け取れた瞬間、大粒の涙がポロポロと流れてきました。 本当に不十分だと思っていた感覚を受け取れた瞬間だったんだなと改めて感じました。それは、条件のない愛に触れた感覚だった様に思い返してみて改めて感じています。
頭では色々良いように考えられますが、頭で考えては到達できない様な考えが外れて、そこにある純粋な感じだけが残ってる、素敵な感覚に触れる事が出来ました。 声をあげても、他の人に手を出しそうになっても、大丈夫だよと心の奥底からそのお年寄りを包み込む感覚、この感覚を大切にこれからもケアを続けていこうと思います。