認知症と診断されている方に対する家族の関わり
認知症と診断されていた家族に、家族はどのように関わればいいのでしょうか?
「初めての体験だし、何をどうしていいかわからない。」
「何を言っても怒るし、何度言っても覚えてくれない」
「何度言ってもじっとしてないし、どれだけ説明しても物を取られたという」
「どんな声をかけても元気ないし、介護しているこっちが病気になりそう」
などと考えてしまうこともあれば、
「自分の関わり方が悪いのではないか?」
「もっとこうしておけばよかった」
と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、認知症と言われている方々は、こちらの関わり方や対応の仕方で全く違った反応をします。
例えば、
怒っているなら、
「想いをぶつけてくれてありがとう」
覚えてくれないなら、
「大切なこと(ありのままの自分)を思い出すために必要のない記憶を忘れているんだね」
じっとしてくれないなら、
「元気で丈夫なお母さんを尊敬するわ」
うつ的になっているなら、
「親孝行をさせてくれる時間をくれてありがとう」
など、今までと違う言葉を投げかけてみると、違った反応をすることも多いです。
今までに、私だけではなく、それを実践したご家族や医療従事者・介護職員が、私と同じように驚くような反応を引き出し、感動していくのを何度も見てきました。
言葉を投げかけるときの想いが重要
「どんな言葉を問いかけるのか?」ということも重要ですが、その言葉を「どんな想いで問いかけるのか?」も非常に重要です。
イタリアのパルマ大学が発見したミラーニューロンの研究で、一人の笑顔が周囲の笑顔を作る、人の表情は伝搬するという報告もあります。
心では楽しい、嬉しいと思ってもいない笑顔の表情は、無意識のうちに引きつってしまい、
その”非言語情報”と”使っている言葉”との間にギャップが生まれ、それが対象者に伝わり、逆効果になることもあります。
本質は、使う言葉そのものにあるのではなく、使う言葉の裏にある自分の想いや意識にあります。
カウンセリングでやっていることは、想いの調整
本質は言葉そのものではなく、その裏にある自分の想いや意識にあるからこそ、その想いを調整する(潜在意識の調整、脳内の知覚フィルターの調整)ことを私のカウンセリングではやっていきます。
だから、認知症や発達障害を含めた何かの病名を診断された家族へのカウンセリングで、当事者の病気の症状がなくなっていく事例も多いのです。
先日の投稿でも紹介した認知症と言われていた方が、カウンセリング直後に大きな変化が出たのも、ご家族も同時にカウンセリングしたからかもしれません。
(参照記事➔【カウンセリングのご感想】80代男性の娘さんからのご感想、認知症の家族同伴カウンセリング)
認知症の方と関わってイライラすることも、嫌になることも、なんで自分だけ・・と思うことも、自分の心が感じたことです。
それが良いとか、悪いではなく、そう受け取ってしまった自分の無意識(潜在意識)の中にある原因をカウンセリングで解消することもでき、それが家族の認知症から解放する一つの手段になることもあります。
また、何を気づかせてくれるために、認知症と言われた方(親ならその名前)は、わざわざこの状況を私の前で続けてくれているのかを問うことで、自分一人でも大切なものを発見できるかもしれません。
関わり方で悩んでいるなら、認知症と言われている方に対して、自分の心はどう捉えたのか、どう思っているのか、その自分を変えることが何よりも大きな一歩なのかもしれません。
遠方の方にも対応できるように出張セッションやスカイプセッションなども行っていますので、家族の病状をどう受け止めていいかわからない、この悩みをどう解消していいかわからないなど、苦しい時、大変な時は、いつでも専門家にお声かけください。